愛しきしろくまを買って失敗した話

だいぶん前の話なんですが
金もないくせに、銀座近辺の画廊なんかを
ウロウロとしていたことがあるのだけれども、
中々、ギャラリーにある作品を買うという踏ん切りがつかなかったわけです。

もちろん値段の折り合いが、
どうにも付きそうにもないものも多いんですが、
なんとか頑張れば手に届きそうな
ロートレックのリトグラフなんかを見てみても、
ひどく迷うんですが 中々踏ん切りが付かないのですな。

リトグラフならば、
ちゃんと摺った浮世絵の中から
気に入ったものを探すのもよいかとか
変な下心も出てきてしまうわけです。

そんな時分に、
銀座のメゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンドで
フランソワ・ポポンのしろくまの石膏像を見つけたんですよ。

ポポンの白熊といえば、
以前、僕も上野だかでやってたオルセー美術館展だかで
見かけたぐらいのポポンの代表作なわけなんですが、
僕も大好きな作品なわけなんですよ。


フランソワ・ポンポン



おねだんを見ると、買えそうな値段というのも悩ましい。


 しかし、売られている作品をよくよく見ると
「なんか違う」感じなのですな。
縮尺を変えるときのカーブの再現というか
素材が持つ質感の違いというか、
なんか薄皮一枚0.5mm甘い感じ。。

まぁ複製なので当たり前なんでしょうけれども、
これば僕の好きなポポンの白熊とは違うよなぁ
と一旦思ってしまうと、やはり買えなくなってしまいました。

もちろん複製にしたって、
作家自身が監修したものや、
再現性が素晴らしい作品もあるわけなんですが、

僕の目には、僅かな違いで
この白熊はダメだなぁと思ってしまったわけです。


さて先日、スパーに立ち寄って
白くまアイスという奴を見つけたわけです。

白くまというのは、九州名物の氷菓子ですな。
カップに入って
九州から遠く離れたスーパーで売られているのは、
なんか予想外です。


最近暑くなったこともあって、
思い切って、 買って来て家で食べてみたんですが、、
この白熊も、なんか思っているのと違ってました。。。