Kindle Unlimited時代のKDP販売戦略

いよいよ月額980円で12万冊以上の本、
コミック、雑誌を読み放題で利用できる
Kindle Unlimitedが始まりました。

このKindle Unlimitedが日本で流行するかどうかは
まだ未知数な部分が多くありますが、
少しばかり、 Kindle Unlimitedに即した
KDPの販売戦略を考えてみようかと。

まずKDP セレクトに登録しないと、
Kindle Unlimitedの対象にはなりません。
マルチ展開を踏まえて「KDP セレクト」を外している人は要注かも。

まず重要な点ですが、Kindle Unlimitedの場合、
ロイヤリティーは、初めて読まれたページ数を元に算出されるという点です。
実はここがポイントになります。

KDPのロイヤリティーというと
250円以上の単価をつけなければ
70%のロイヤリティーは受け取れなかったわけで、
高いロイヤリティーを確保しようとすれば、
全体的に、ある程度のボリュームの本を作って
250円以上の単価になるように設計するというのが
一般的だったと思います。

しかしKindle Unlimitedの方に焦点を当てると、
このボリュームはあまり気にしなくてもよくなるわけです。
 
読者の保有冊数が10冊という上限があるものの、
次々に入れ替えて読まれていく前提ですので、
文芸作品ですと、最低価格の99円での販売になるような
ページ数が少ない、さっくと読める短編集なんかが、
非常に有利になってくるのではないかという指摘です。

もちろん保有数上限がありますから、
闇雲に冊数ばかりを増やしていくのはどうかと思いますけれども
読者がすぐに読み切れるページ数で、
次々と続編やシリーズに手を出せるような本が
Kindle Unlimitedにはマッチしているのではないかと。

文字数でいえば1万字から2万字程度で
読み飛ばされていく感じのものでしょうか。

読み飛ばされて、入れ替えられていくのが前提ですから
昔のアメリカであったパルプ・マガジンと性質が似ていますから、
ネオ・パルプ」 といってもいいかもしれません。


また、そうした作品が増えていくことで、
Kindle Unlimitedの、読み飛ばしていくという
使い方も広まっていくのではないかと。



興味のある人は、
ちょっとした短編集みたいなものを
積極的に挙げてみるとおもしろいかもしれませんよ。