失われた書籍

永井荷風の作と言われる『四畳半襖の下張り』や
芥川龍之介の作と言われる『赤い帽子の女』というと、
猥褻と文学というのを考える上で、
重要な位置づけであるのですけれども、

マルチメディアという言葉が華やかしり1997年頃に
新潮社が、 Web新潮ライブラリとして
『四畳半襖の下張り / 赤い帽子の女』として
一枚のCDロムにまとめたものがあります。

CDロムというのは、
初期の電子書籍の一つの形態だったわけですが、
目新しさもあって僕も後学のためにと、買った口です^^;

単純にわいぜつな文章という話ではなく、
『四畳半襖の下張り』には、
野坂昭如の解説付き。
『赤い帽子の女』では、
初めて伏せ字のない完全版の刊行という
資料的価値のある内容でもあったのですよ。




で、この野坂昭如の解説の
「四畳半裁判を語る」という音声の中で
文章のアヤなどについて 中々興味深い内容があったのを思い出して、
聞き直そうと思ったわけです。

早速、 引っ張り出してきて、 再生しようとしたんですが、
これプログラムの方に16ビットのコードがあって
動かなかったわけなんですよ。。


 しかたがないので、自動再生は諦めて
データを開けて無理から.aifファイルを探しだして再生しました。

まだ古い機械やら16ビットの環境を再現する手段は
あるにはあるのですけれども、
もうこれからの時代は、
完成したコンテンツ作品として
読めなくなっていくのだなぁと考えると
少々もの寂しかったりもします。


さて、そんなことを考えながら
データフォルダの中に入って、
データを色々と見ながら、
目的のファイルを探していく作業は、
 『四畳半襖の下張り』の登場人物である
ふすまの下張りから昔の人が書いた春本の切れ端を見つけて、
それを清書して
『四畳半襖の下張り』として紹介するという金阜山人みたいで、


なんか、ちょっと面白いなぁと自分で思いました。