AmazonとHachetteとの揉め事

もう何ヶ月も米Amazonと
米国の出版社のHachetteが、
もめているんですが、

ざっと、あらましを話すと、
米Amazonが結ぼうとしていた
全米四位ぐらいの大手出版社であるHachette社との
電子書籍の契約更新が難航したっていうのが話の始まり。

米アマゾンは、電子書籍のほとんどを9.99ドル以下にしたい。
でもフランスのLagardere傘下のHachette社は反対。
そんな安く売れるかと。

で、アマゾンは実力行使に出て、
自分の所で販売しているHachetteの書籍の扱いを悪くします。
在庫を持たないようにして、予約も受け付けない。
一応、消費者からの注文は受けつけるけれど、
三週間とかかかってしまう感じへと。

アマゾンの主張としては、
言ってもウチは単なる書店なんだから、
折り合いの付かない取引先もあるという態度なんですが、
凄いなぁと思ったのは、
Hachetteの本を買いたければ、
マーケットプレイスで「古本買うといいよ」 という誘導。
さらにアマゾンは「ウチの競合で買えばいいよ」という態度。


で、そう言う揉め事で実際、不利益を被っているのは、
蚊帳の外に居る、作家の方であり読者であるってわけで、
米国の作家が連名で新聞に意見広告を乗っけたりしてたんですな。


そういう流れの中、アマゾンは、
「我々は電子書籍を読者に安価に提供するためにやっているわけで、
安くしたほうがよく売れて作家の収益にもつながっている」
という主張を行っているわけで、
昔も出版社とか作家は、
安価なペーパーブックが登場した時に、
まず反対していたって話をして
それに『1984年』なんかの作品で知られている
ジョージ・オーウェルの文章を引用しているんですが、

「その文章ってジョージ・オーウェルは皮肉で言ってるんじゃね?」
ってNew York Times紙なんかに突っ込まれている始末なんですな。


で、この問題で面白いのが、
両社の陣営がそれぞれ、
相手側のCEOに意見メールを送れと
読者に呼びかけているところですな。

企業間の揉め事で、
自分が抱えているユーザーに向かって
直接、相手のCEOに意見しろって
相手のCEOのメールアドレスを公開するって
なんか凄いですよね。
日本では考えられない。


まぁ今後、どうなるのかわかりませんが、
米アマゾンの動向は各国に波及する可能性が
あるかも知れませんので、
少し注目して見ておきたい所ですな。